二世帯住宅での介護は家の特徴を最大限活用が理想

別居と同居のいいとこどりである二世帯住宅の介護

「二世帯住宅」とは、親、子、あるいは孫家庭を含めた三世代で暮らしている住宅の中で、それぞれの家庭ごとに住空間が分かれている設計のものを主に言います。 お風呂やトイレが2つずつ作られていたり、台所も分かれていたり、中には玄関が2つと言う作りのものもあり形状は様々です。 子供が結婚して家庭を持っても、お互いの生活に干渉せずに自由に暮らしつつ、何かあったときは協力関係を密にしておけるようにということを目指して90年代から広まりました。 それから30年近い年月がたち、今や別々の環境で暮らしていた親世代に、日常的な介護が必要な時代となっています。いつまでも離れていると考えていられなくなりました。 そこで、二世帯住宅で長年生活し、親が高齢者となった場合、この先の介護をするうえでいろいろなメリットが見込めると評判になってきています。 それは先ず別居に近い状態とはいえ親がすぐ近くにいて様子を伺いやすいと言う事。病気になったり食事を運んだりするときも、親世帯の台所や居室を一部借りるなどして臨機応変に対応可能なことから来ています。 また、基本的には生活空間が分かれているので、介護している家族が休息をとり易く、ストレスを溜めることを防げます。介護は精神帝にも体力的にも厳しいものなのでこの点は重要です。 介護ストレスを溜めてしまった家族による高齢者への虐待問題も根強く、根本的な解決策が模索されている段階でしかありません。 また老老介護は社会問題化することもありますが、やはり長年連れ添った相手を自分で世話したいと思うご夫婦も多いようです。 その場合には、それぞれのプライバシーが守られている空間で過ごせることが世帯が別れている事のメリットとなります。おむつの交換など親しい人以外に見られたくないと思っている女性も多いでしょう。 二世帯住宅は遠いようで近いという、別居と同居のいいとこどりをしたくらしの形です。それが介護の現実にも適していることが分かってきたのです。

二世帯住宅で介護サービスを利用

同じ敷地内に暮らしているとはいえ、家族だけで高齢者の介護をするのは重労働です。そのため、多くの二世帯住宅家庭ではデイサービスなど公的支援を受けています。 その際、親世代が暮らしている玄関の方から施設の職員に入っていただくと施設までの移動がしやすかったり、子世代の生活空間に立ち入られないで済むという利点がありますね。 このことから将来の介護を見越して二世帯住宅を建てておくという洗濯をする若い夫婦も増えているようです。家は一生の買い物なので、最初のプランニングが重要です。 お世話になる施設の職員さんであったとしても、あまり良く知らない人に自宅に入られるのは抵抗があるでしょう。掃除が行き届いていない場合にあわててしまうことも。 生活空間が分断されていると、介護の必要な親の住居スペースにのみ介護士さんやヘルパーさんが入ることになるので、子世代は安心して自分たちの時間を確保できます。 ヘルパーさんはその家の冷蔵庫や調理道具を使って食事の準備をしたり、掃除道具を使ったりする場合もあるので、私物に触られたくない方にも世帯別けは好まれます。 二世帯住宅家庭の子世代は、自分たちで出来る範囲以上の事はこのように介護保険で適用できるサービスを利用していることがほとんどです。 そして玄関や台所を別にした事が、介護支援を受ける場合に様々な点で子世代のストレスを緩和することが出来ているようなのです。

これから二世帯住宅を建てる時は間取りに気をつける

新築を予定していて、親と同居出来る二世帯住宅を希望している子供世代のご夫婦は、この先10年、20年後に必要になる介護に適した間取りを考えなくてはなりません。 介護に適した間取りとは、段差がなく廊下が広く、室内で車椅子が使える事、適切な場所と高さに手すりをつけることが可能な事、お風呂に充分な広さがある事などです。 そして親が使う部屋を1階に設置して、部屋から直に外に出られるようなスペースを確保しておくことが重要です。一般的に高齢者の部屋は家屋の中心に置くのが良いとされます。 出来ればそこに縁側などを設けておきましょう。車椅子生活になったときにスロープを増設してすぐ外に出ることが出来ます。 玄関はどうしても段差がありますが、庭先を利用すれば緩めで長いスロープを作ることが出来、車椅子でも安全に外出ができます。転倒などの危険に対処する目的もあります。 また間取とは直接関係ありませんが、お風呂や親の居室に内線機能を付けておくといいですね。高齢者の事故は多くがお風呂で起きています。 おじいちゃんおばあちゃんがお風呂に入っている間に何かアクシデントが起こらない様、また寝たきりになってしまったとも連絡がとり易くする目的のため、内線は必要です。 コードレスのスイッチなどを準備出来ることもあります。ベッドに寝たままでもワンプッシュで他の部屋に居る家族を呼ぶことが出来ます。急な体調変化に対応しやすくなります。

介護を拒否するために二世帯住宅を選ぶ家庭も…

二世帯住宅を建設する目的は、完全に親世代と生活を分断するため、というケースもあります。息子夫婦にも仕事などいろいろな事情があり、静かな環境が必要な場合がありますね。 二世帯住宅でなくても、多くの家庭で親の介護は息子の妻がするパターンが一般的です。言い換えると、「親の介護は嫁の仕事」という偏見が根強いようです。 二世帯住宅を建てる家庭は、家父長制が根強い場合があります。父親が「家長」然とふるまっていて、自分の意見が一番という前世紀的な考えをまだ持っています。 女性は家に入るべき、とか子供の面倒は母親の仕事、女は仕事をせずに家の事をしていればいいなど、まだまだ壮年男性にはこうした認識がありますね。 それが分かっているので、家を建てる時点で親の介護を拒否する女性も多いのが現状です。確かに子育てと仕事をしながら介護まで頼られると、当事者の健康が心配になります。 介護は本来、家族全員と施設の職員さんやヘルパーさんなどがうまく連携を取って行わなくてはならないものです。お母さん1人に押し付けていいものではないのです。 将来介護を受ける親世代は、同居を始める時にそのことを一度考え直すことが必要です。息子の妻にも独自の人生とスケジュールがあり、それを自分たちのために変更させてはいけないのです。 そうしたイメージを持って健康なうちから日常生活に交流を維持できていれば、介護を拒否されるというトラブルに遭わずに済むかもしれません。 先に老老介護の望む夫婦の例をあげましたが、やはり高齢者夫婦の介護生活は体力的に困難が伴うものです。若い子供世代の手が欠かせません。 関係性の維持のために、二世帯に別れた家の中でも共有のスペースを作っておいたり、時々は一緒に食事をするなどの時間を設けられるといいですね。 特にお孫さんがいる家庭ならば、孫の誕生日や入学式などお祝いごとのシーンも多くなります。その機を逃さずに、2つの世代がうまく交流できるようにするのは、一家の中心を担う息子さんの役割です。


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